取締役就任あいさつ

このたび、株式会社アルク出版企画の第45期より取締役に就任いたしました。

アルク出版企画は、1982年の創業以来、音楽や美術をはじめとする芸術分野、哲学・心理学などの教養分野を中心に、40年以上にわたり出版企画・編集制作に携わってきました。
私自身、出版の仕事に携わるようになり、改めて本の持つ力を感じています。
専門家が長い年月をかけて培ってきた知識や技術、仕事を通して積み重ねてきた経験、地域に受け継がれてきた営み。それらは、そこにあるだけでは、限られた人にしか届かないことがあります。

出版は、そうした価値を見つけ、言葉にし、広く社会へ届ける力があります。
専門的で難しい内容を、必要としている人に届く言葉に変え、まだ知られていない知識や経験に光を当て、一冊の本として残していく。そして、その本が人から人へと渡り、長く読み継がれていくこと。
私は、そんな出版の積み重ねが、当社の掲げる「文化を出版する」につながると考えています。

私たちの親会社であるSDアートは、半世紀にわたり、芸術を通して作家や作品、人、場所を繋ぎ、次の世代へと繋げる仕事を続けてきました。

アルク出版企画が扱うものは「本」ですが、その根底にあるものは共通しています。今ある価値を、そのときだけのものにせず、必要とする人へ届け、次の世代へと繋いでいく。SDアートが芸術を通して担ってきたことを、アルク出版企画は出版という形でも担っています。

そして今、出版のあり方も大きく広がっています。私たちは、書籍を企画・編集するだけでなく、エスラボを通して出版を志す方々と直接出会い、まだ形になっていない企画を一緒に育てる取り組みも行っています。

これまで培ってきた編集の力を大切にしながら、様々な人や分野との出会いを広げ、まだ世の中にない一冊を生み出してまいります。

その一冊が誰かの手に渡り、新たな知識や考え方に触れるきっかけとなる。そこから生まれる気付きや変化もまた、出版が持つ大きな力だと感じています。

本には、時代や場所を越えて、人と人を繋ぐ力があります。
これからも、一冊一冊と丁寧に向き合いながら、出版という形で世の中へ届けてまいります。

そして、そこから新しい文化が生まれ、次の世代へと受け継がれていくことを心から願っています。

株式会社アルク出版企画
取締役 金谷 由貴